産まれたばかりの羊の赤ちゃんは、30分もすると立てるようになり、
誰から教わったわけでもないのに、母親の乳房の元へ歩いていきます。
今にも倒れそうなきゃしゃな体で、生き抜こうとする生命力の強さには、
羊の誕生に立ち会うたびに驚かされます。
そんな機会の多い冬の時期ですが、たくさんの羊の世話をしている以上、
死別に立ち会うことも必ずあります。
昨日は5日程前から、急に体調を崩したメスの成羊サフォークが、夕方死にました。
現在保健所で死因を解明中ですが、立派な体だったにも関わらず、看病の甲斐も無く、
ろうそくの火が消えるように、あっけなく息を引きとってしまう姿をみると、子羊の時の
生き抜こうとしていた、あの生命力の強さは、何処へいったのだろうと思います。
ところで羊の瞳は茶色ですが、死んでから暫くすると、ほんの数分間だけ
海原を想わせる群青色になります。その透き通るような青の美しさは、沈む太陽が最後に見せる夕焼けの美しさのようです。
この数分間だけは、死別の辛さを忘れさせてくれます。
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